指導できそうな領域
- 財務会計・税務会計・管理会計・監査・社会関連会計・経営分析・コーポレートファイナンスなどの分野の指導を想定してます。 業績のページも指導できそうな分野を考える上で参考にして下さい。
- 研究手法としてはアーカイバルな実証か経済学の数理モデルを用いた分析的研究を実施してきました。また、アンケートによる実証研究も実施したことがあります。
- そのため、これらの方法を用いた研究方針なら手厚く指導できると思います。
- 逆にいえば、財務会計における計算構造や財務会計や監査の制度そのものの研究や、管理会計におけるケース分析を中心とした研究はこれまで実施経験が(少)ないため、十分な指導が出来ないと予想できます。
- 特に博士後期課程への進学を志望し、かつ私の得意としない分野の研究を志望する人は、私以外の教員を指導教員とすることを強くお勧めします。
- その一方で、特に修士課程において管理会計を研究したい場合、アンケートによる研究や分析的研究を実施することは、時間的に(アンケートの場合には資金的にも)かなり困難です。
- よって、修士課程で修了し就職を希望する(含む社会人院生)場合には、ケース分析による修士論文なり、リサーチレポートなりも指導します。
- ただし、ただの事例紹介では無く、何らかの理論の検証という形は取ってもらいます。そのための統計や数理モデルの理解は必須とします。
- なお、指導できる言語は日本語と英語です。それ以外の言語での指導はいたしませんし、フォローもしませんので、ご注意ください。
- まとめると次の通りです。
- アーカイバルな実証(主に財務会計・税務会計・社会関連会計・監査・経営分析・ファイナンス)なら手厚く指導できます。
- 分析的研究(主に財務会計・管理会計・監査)やアンケートによる実証(主に管理会計)も指導できます。
- 実験研究は今まで試みたことがありませんが、分析的研究とは関連が深いので、チャレンジしたい人は相談して下さい。
- ケーススタディー(管理会計)は修士で修了予定の場合に限り、指導します。
- ただし、手法・知識両面から十分な指導ができない可能性があることを了解して下さい。
- 歴史(学説史や学説整理を含む)や制度、計算構造を研究したい場合は別の指導教員を選ぶことをお勧めします。
指導方法
- M1 二週間に一回程度に、教科書や関係論文の報告と討論。
- M2 基本的には上記に加え、修士論文(リサーチレポート)の内容を発表してもらいます。
修士論文に必要とされる前提知識
- アーカイバルであれアンケートであれ、実証研究を志す場合、一定程度の統計学の素養は必要とされます
- アーカイバルな実証であれば、ある程度以上の計量経済学の理解は必須です。
- アンケートを用いた実証を試みる場合も同レベルの心理統計なり計量社会学で用いるレベルの統計学は必須です。
- また、非常に学際的な研究分野なので、会計以外にも次のどれかに関心を持って下さい。
- 証券市場を意識したアーカイバル実証研究ならば、ファイナンス論もきちんと学んで下さい。
- 契約を意識したアーカイバルな実証研究ならば、コーポレートファイナンスは必須です。
- 双方とも、ミクロ経済学を中心とする経済学の発想法に触れることも重要です
- 管理会計ならば、契約(組織)の経済学か経営学(社会学ベースあるいは心理学ベース)のどちらかを意識して下さい。
- 数理モデルを用いた研究をしたい場合は、組織の経済学とファイナンスのモデルを応用するのが一般的です。これら2つの分野のモデルに関して、基本的なモデルを理解したうえで、会計問題にどう応用するかの直感を磨けるようにして下さい。
修士論とリサーチペーパーの目安
名古屋市立大学では修士課程を修了するためには修士論文かリサーチペーパーを執筆する必要があります。どちらでも修士号が授与されますし、学位記に差はありません。どちらも一定程度の学術的貢献がないといけないという意味では明確な上下関係はありません。ただ、博士後期課程進学や税理士試験免除にあたっては修士論文の執筆が必須になります。そこで、修士論文とリサーチペーパーのどちらを選択が問題になります。他の教員は知りませんが、私は次のような基準で選択してもらうよう指導します。私を指導教員としたい場合の参考にしてください。なお、社会人特別選抜の方には、リサーチペーパーを執筆してもらうことを原則といたします。
- 修士論文は学術論文の一歩目の位置づけと考えています。そのため、先行研究のレビュー、つまり論文の追加貢献の明示、がリサーチペーパーよりも重要と考えます。当然、英文文献も先行研究なので、英文文献の引用は必須と考えています。
- リサーチペーパーはこれまでの実務的経験のまとめという側面が強いです。そのため、レビューが多少手薄でも、経験なり考えをまとめるという姿勢を評価します。
修士論文なり、リサーチペーパーなりのテーマを決める前におすすめの本(あくまで一例で、もちろん他にもたくさんあります)